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基本思想 — 育つナレッジベース(LLM Wiki)

基本思想 — 育つナレッジベース(LLM Wiki)

出典: “育つ”ナレッジ基盤「LLM Wiki」とは?(@shinnosuke_takami、2026-05-29) 原典: karpathy/llm-wiki.md(Andrej Karpathy 氏)

本ガイドの基本思想は、未編集の資料を検索する RAG ではなく、LLM と人間が協力して 編集された百科事典(Wiki)を育て続ける LLM Wiki パターンにあります。

核心

項目 内容
本質 LLM が Markdown Wiki を生成・更新し、知識を「育てる」
比喩 RAG = 倉庫(未編集のまま検索) / LLM Wiki = 図書館(編集済みを蓄積)
動作 RAG = 毎回インタプリタ実行 / LLM Wiki = コンパイル済みバイナリを成長させる
結論 使うほどに賢く、整理され、価値を増す生きたナレッジベース

育てる × 腐らせない

LLM Wiki の「育てる」に対するもう一つの軸として、本ガイドは 「腐らせない」 を重視します。

育てる 腐らせない
意味 Ingest / Query で知識を増やし、価値を高める Lint で劣化・矛盾・陳腐化を防ぎ、信頼を保つ
比喩 図書館に本を増やす 蔵書の点検・除籍・目録の更新
怠ると 知識が足りない 知識が腐る — 矛盾した回答・古い手順・ハルシネーションの温床

ナレッジが「腐る」とき

症状 具体例
矛盾 同テーマの2ページで手順や条文番号が食い違う
陳腐化 「最新バージョン」の記述が実態とずれている
孤立 index から辿れず、検索にも引っかからないページが増える
倉庫化 Ingest だけ続き、統合・Lint なしで未編集のまま膨らむ
参照切れ 本文で「○○ を参照」と書いた先にリンクがない

育てるだけでは不十分です。 判例 72 件を整えても、条文番号の矛盾を放置すればハルシネーションの種になります(実例 No.14.1)。Ingest → Query → Lint のサイクルで、増やす工程と腐らせない工程をセットで回してください。詳細は No.13.3 Lint

flowchart TB
  subgraph L1["第1層: Raw sources"]
    RS[記事・論文・社内資料など一次資料]
  end
  subgraph L2["第2層: The Wiki"]
    W[編集済み Markdown ページ群]
  end
  subgraph L3["第3層: The Schema"]
    S[構造・規約・ワークフロー]
  end
  RS -->|Ingest| W
  S -->|ルール| W
概要 誰が書く 誰が読む
Raw sources 不変の一次資料。Wiki の根拠 人間 LLM
The Wiki 要約・概念・比較表・統合ページ LLM・人間 人間・LLM
The Schema Ingest / Query / Lint の規約 人間・LLM LLM

3操作

操作 内容 iknow での対応(詳細は No.13.x)
Ingest 資料を読み、影響範囲を踏まえて Wiki を更新 インポート・create-knowledge・追記
Query index から関連ページを辿り、回答を統合 チャット検索・目次・タグ
Lint 矛盾・孤立・陳腐化・欠けたリンクを洗い出す 健診(🩺)・定期メンテ

index.md と log.md

ファイル 役割 iknow での対応
index.md 全ページのカタログ(1行要約・カテゴリ別) No.0 目次・一覧・タグ
log.md ingest / query / lint の追記専用ログ 変更履歴(intent 付き書込)

RAG との使い分け

観点 RAG 向き LLM Wiki / iknow 向き
資料の更新頻度 中〜低
資料の規模 数千〜 〜数百
知識の性質 事実検索 概念理解・統合
求める答え 「元資料に何が書かれているか」 「複数資料を踏まえると何が言えるか」
ユースケース 向く方式
社内ドキュメント検索・FAQ RAG
個人学習・研究・専門知識の体系化 LLM Wiki / iknow

本ガイドのナレッジ体系

LLM Wiki 本ガイドの No
基本思想 10.1(LLM Wiki)・10.2(OKF)
The Schema 11.1
The Wiki 12.1〜12.3
オペレーション 13.1〜13.3
実例 14.1
index.md 10.0(育成ガイド概要)/全体は No.0

iknow でナレッジを書くときは常に Ingest → Query → Lint のサイクルを意識してください。単にページを増やすのではなく、index・関連リンク・健診を通じて 図書館 を育てることが目的です。